絵本から児童書へ移る瞬間
先日、BOOK・OFFの100円コーナーで、児童書を買いました。
「どくしょのじかんによむ本 小学1年生」
10編の短編が収められています。その中の一つ。
「あおいむぎわらぼうし」 作 武鹿悦子
このお話は、何年か前に絵本で読んだことがありました。
あおいむぎわらぼうしをかぶった男の子と、こぎつねとの約束。
「十三ねたらここでまってて。自転車にのせてあげる」
優しい色合で描かれた草原や、風に乗って走る自転車や、あいらしいこぎつねや…
この絵本が大好きでした。
児童書の方は、文が12ページ、モノクロの挿絵が1ページです。
書き出し(横書きなので行間が伝わりにくいかも知れません)
> やまの こぎつねが、やぶに かくれて みていました。
> あたらしく できた どうろを、にんげんの おとこのこが
> じてんしゃに のって はしって きます。
絵本で見た景色が頭に浮かびました。
> こぎつねは こいしを 十三こ ひろいました。
> まいばん、一こずつ すてれば、まちがえない…
> ぼく、もうすぐ じてんしゃに のせて もらうんだ!
> こぐまも うさぎも だあれも ほんきに してくれません。
読んでいくうちに、ふと気が付くと、絵本の情景が消えていました。
こぎつねの、がっかりやわくわくや待ち遠しい気持ちに引き込まれていました。
約束の日、約束の時間。
> ずうっと、ずうっと、ずうっと、どうろが
> まぶしく とおく つづいています。
> もう くるかな?
> おそいなあ。ぼくの おひると ちがうのかしら。
> わすれちゃったのかなあ、やくそく。
> うそ ついたのかなあ…。
こぎつねの心の動きが、手に取るように伝わってきます。
結末は知っていても、こぎつねと一緒に、悲しい気持ちになるのです。
そして、文から浮かんだ誰も来ない道路の情景は、絵本で見た絵より
ずっとずっと強烈に、私を絶望に誘いました。
約束が果たされたときの喜びも、言うまでもありません。
娘は小学校の低学年の頃に、いつのまにか絵本から児童書へ移行しました。
読み聞かせてもらう絵本と、一人で読む絵本と、それに混じって、
一人で読む文字だけの本。
「字ばっかりの本て、絵本よりおもしろいな」
そう感じる瞬間を何度か体験するうちに、
自然と児童書を受け入れていったのだと思います。
「あおいむぎわらぼうし」がその瞬間を気付かせてくれました。
筆:大石寛子
「どくしょのじかんによむ本 小学1年生」
10編の短編が収められています。その中の一つ。
「あおいむぎわらぼうし」 作 武鹿悦子
このお話は、何年か前に絵本で読んだことがありました。
あおいむぎわらぼうしをかぶった男の子と、こぎつねとの約束。
「十三ねたらここでまってて。自転車にのせてあげる」
優しい色合で描かれた草原や、風に乗って走る自転車や、あいらしいこぎつねや…
この絵本が大好きでした。
児童書の方は、文が12ページ、モノクロの挿絵が1ページです。
書き出し(横書きなので行間が伝わりにくいかも知れません)
> やまの こぎつねが、やぶに かくれて みていました。
> あたらしく できた どうろを、にんげんの おとこのこが
> じてんしゃに のって はしって きます。
絵本で見た景色が頭に浮かびました。
> こぎつねは こいしを 十三こ ひろいました。
> まいばん、一こずつ すてれば、まちがえない…
> ぼく、もうすぐ じてんしゃに のせて もらうんだ!
> こぐまも うさぎも だあれも ほんきに してくれません。
読んでいくうちに、ふと気が付くと、絵本の情景が消えていました。
こぎつねの、がっかりやわくわくや待ち遠しい気持ちに引き込まれていました。
約束の日、約束の時間。
> ずうっと、ずうっと、ずうっと、どうろが
> まぶしく とおく つづいています。
> もう くるかな?
> おそいなあ。ぼくの おひると ちがうのかしら。
> わすれちゃったのかなあ、やくそく。
> うそ ついたのかなあ…。
こぎつねの心の動きが、手に取るように伝わってきます。
結末は知っていても、こぎつねと一緒に、悲しい気持ちになるのです。
そして、文から浮かんだ誰も来ない道路の情景は、絵本で見た絵より
ずっとずっと強烈に、私を絶望に誘いました。
約束が果たされたときの喜びも、言うまでもありません。
娘は小学校の低学年の頃に、いつのまにか絵本から児童書へ移行しました。
読み聞かせてもらう絵本と、一人で読む絵本と、それに混じって、
一人で読む文字だけの本。
「字ばっかりの本て、絵本よりおもしろいな」
そう感じる瞬間を何度か体験するうちに、
自然と児童書を受け入れていったのだと思います。
「あおいむぎわらぼうし」がその瞬間を気付かせてくれました。
筆:大石寛子

