アルバムが身体の成長を記録したものなら、
画集は心の成長を記録したもの、と言えると思います。
「小さな頭の中で、この子はいったい何を考えているんだろう…」
子育てを経験した人は、誰もが、そう思ったことがあると思います。
私が画集に見つけた成長の記録を少しだけ、紹介します。
形を認識していく過程…手と足2才の頃は顔だけを描いていたものが、3才になると、体も描くようになります。
娘の場合、胴体は曖昧なまま、まず足が付き、少しして手が付きました。

でも、このことは何となく分かります。
足は普通の状態で下にあるけど、手は挙げたり下げたり、位置が変化するので、
わかりにくいのかも知れません。
ちなみに、初期の手(腕)は体から横に突き出ています。
右の絵のように、腕が下におろして描かれたのは数ヶ月後でした。
形を認識していく過程…耳3才1ヶ月の日、私が書いたコメントが残っています。
「この数日間毎日、耳を描き、耳の穴まで描いていたが、正面から
穴は見えないことに気づいたらしい。穴だけでなく、耳を描くのをやめてしまった。」

この後間もなくして、横顔を描き始めますが、耳は描かれません。
耳は不可解なモノ。たいして必要でないモノ。どう思っていたのか分かりませんが、
無視し続けた耳が再び登場するのは、
半年後、イヤリングを付けた女の子を描くときになります。
憧れのイヤリングを描きたい。しょうがない、耳も描くか、と言ったところでしょうか。
絵が下手になったように見える時期どうしちゃったの?と思えるような絵を描く頃がありました。
何を描いたのか分からない。聞くと、階段だったりダンゴムシだったり
女の子の後ろ髪だったりしました。きっと、描きたい意欲が先走っていたのでしょう。

写真はそのころの1枚です。
最初見せに来たときは、鉛筆で3人の女の子が描かれていました。
「ひでみちゃんと、ちーちゃんと、よーこちゃんなの」
3人はアパートの同じ階に住んでいました。
次に見せに来たとき、女の子の上に青が塗られて、分からなくなっていました。
「ひでみちゃんと、ちーちゃんと、よーこちゃんの おうちなの」と、言いました。
たしかに、アパートの廊下には、青いドアが並んでいました。
「あそぼ」と、友達の家のドアをたたくとき、
鉄の扉の向こうに、友達の姿を見ていたのかも知れませんね。
花を描き、サインを入れて完成したようです。
女の子のあこがれ 絵の中に、初めて登場したアクセサリーは髪飾りです。
やがてネックレスを描くようになり、目には長いまつげが付き、イヤリングも描きました。
そして極めつけは、ドレスです。

来る日も来る日も延々と描き続けるドレスの絵。
絵本やテレビや友達の影響を受けて、デザインが変わっていきました。
幼児期の画集は、子育てをしている、その時でなければ作れません。
私はあまり深く考えずに作っていたので、
貴重な宝を取りこぼしてしまっているかも知れません。
いま子育て中のお父さんお母さんには、子どもをよく見つめて、
大切なものを沢山残して欲しいと思います。
次回、
幼児期の画集〜おすすめの作り方を紹介します。
筆:大石寛子